Rootsの家ーアベイエ建築日記ー

Roots工務店(株)グリーンライフの“上質な家づくり”特設ブログです。

アベイエ⑦ 新築徒然草(、と地鎮祭)

ごきげんよう
月曜日です。
アベイエです。
勝手に連載『アベイエ』も今日で7話目。
本当にもうそんなになったのでしょうか?

安部の家は、
地盤改良工事が終わり、
もうすぐ基礎工事が始まります。

 

まだパッと見、更地となんら変わらないので、
今日は、今日までにちょこちょこ書いた家づくりの話を
ちょろちょろ書きます。


新築徒然草です。
以下、本当に、
心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくった だけです。

 

「母屋解体二週間前、小屋のタンスを片付けた日のメモ」
次々にタンスの引き出しを引いて、
中に入っているものを手に取る。
古い羽織り、しつけ糸もほどかれていない紬の着物。
本物の忍冬唐草文様、それもたくさん。
祖先は忍者だったのか。

『好きな人に編みたいセーター』
くたびれた表紙、編み物の本。
好きな人=居間で微笑む祖父のこと。
そして、好きな人にせっせとセーターを編んだ乙女は、
祖母、和子。 この人。

(和子さん、今でも少女のように自由でチャーミングなおばあちゃん。若い頃、びっくりするほど綺麗でした。)

 

古いアルバムが出てきた。
分厚いベロアの表紙には、同じだけほこりも分厚く。
忘れられた結果、平成生まれの孫に見つけられたアルバム。

表紙の先には祖父がいた。
晴天の空、どこまでも高く。
風邪にたなびく五色の旗。
空に向かって組まれた、柱と梁。
大きく笑う、青年。

青空の下、笑っていたのは祖父だった。
写真のその日は、そう、46年前の我が家の上棟式
(なんと!父には髪があった!!ふさふさだった!)

 

今年我が家は、一旦の役割を終え、
家を建て替える。

東日本大震災で、家の中の戸という戸は、
すべて建付けが悪くなった。
土台や柱が土に還りはじめたのか、
ミミズが大量に出るようになった。

冬の朝は、友希が積もること以外は外と同じで、
家と外の堺が薄い家だった。
(この世界のすべての土はミミズが作ったんだって。武田鉄矢がラジオで言ってた。
そしたら同じことを父が私に言ってきた。
父よ。私も同じラジオを聴いています。その話、全部知っています。)

 

祖父は若い頃、仕事中の事故で足を失った。
義足と松葉杖が祖父を助けたが、
義足はやはり義足で、遂に祖父の本当の足になることはできなかった。

 

新しい家が建ったら
祖父と、祖母、新婚みたいにならないかな。
ならないな。
ね、和子さん。

だって、今更一緒に寝てらんにー!って言ってたもんね。

 

そうそう。
解体工事が終わった我が家は、
先日、地鎮祭を終えました。
本当はこちらの話から書くべきでしたが、おまけのようになってしまいました。

祭祀の間だけ、綺麗に晴れました。

これだけでもう、

これから建つアベイエがとびきり素敵な家だって、そう確信しましたよ、私。

 

もちろん、地鎮祭には
80%家族の隣のおじさんも。


いよいよ、

家が、建ちます。